柔道弐段昇段審査

大学1年生の頃に初段を取得して以来3年ぶりの昇段審査。初段は5連勝して難なく勝ち取ったが、20歳前後が多い力強く若々しい弐段はそう簡単にいかないと覚悟で臨んだ。体力勝負では負けるので、一本勝ちorポイント先取逃げ切りの勝負に持っていくと決めていた。

  • 2016年4月

右手首を怪我していて最後まで試合に出るかどうか迷ったが、テーピングと包帯でガチガチにして動かないようにし右手を庇いながら出場することにした。怪我のおかげでセルフハンディキャップに近い精神状態で全く緊張せずリラックスして試合に臨むことができた。

・1戦目
相手:推定185センチ85キロ。社会人。
身長が高く奥襟で頭を潰すタイプの相手だったので背負いに入りやすく、開始20秒くらいのときに逆一本背負いで技ありをとった。大きい体を活かして何度か寝技に持ち込まれ絞め技を狙われたが何とか逃げきれた。開始1分半くらいのときに小内巻き込みで一本勝ち。

註:俺の小内巻き込みは相手の脚をとらずに、右手は一本背負いのように相手の腕に巻いているため反則をとられない。以後出てくる小内巻き込みも全てこの改良版小内巻き込みを指す。


・2戦目
相手:推定173センチ73キロ。高校生。
一本背負いで有効。次に小内巻き込みで有効。腰の重い相手だったので時間内で一本勝ちは無理そうだと判断し、そのまま寝技や組手で時間稼ぎして試合終了。優勢勝ち。


・3戦目
相手:推定180センチ73キロ。高校生。弐段を受けに来た中で一番上手くて強かった。
試合前から握力がほとんどなくスタミナ切れ。怪我している手首を抑え込むよう指導者から指示があったようであり右手を終始殺され、思うように技に入れさせてもらえなかった。奥襟で潰され続けて指導を一つもらった。その後スタミナが完全に切れて大内刈りを返されそのまま抑え込みで一本負け。

1,2戦目は及第点以上の試合をした感触があるが、問題は3戦目である。
3戦目は右手首に怪我がなく自由に使えたら、小内刈りで崩して通常の背負い落とし若しくは片襟の背負い落としに入りたかった。相手に対しては確かに組手や試合運びの上手さを感じたものの少なくとも引き分け以上には持ち込めたとは思う。現役の高校生に対するスタミナ負けも大きい。これからはもう少し追い込んで稽古に打ち込む。

  • 2016年5月

右手首はだいぶ良くなりテーピングだけで臨んだ。但し数日前に稽古で新たに肘を痛めていたため当該箇所にテーピングを巻いて出た(試合中に痛みは感じなかった)。なので体調的には万全に近い。この日で弐段を決めてやろうと思い試合前少し緊張した。

まずは投の形の講習から。初段の時にやらなかった真捨身技と横捨身技だけを行った。大学生になってから年数(=x)に対して知能(=y)が単調減少しているので教えられたことをなかなか覚えられず少し大変だった。

・1戦目
相手:推定172センチ80キロ。大学生くらいの年齢。
右の一本背負いに2度入ったが、右手でガードされて懐までもぐりこめなかった。恐らく背負いの受けに慣れているのだろうと思ったので、一本背負いに行くフェイントをかけた小内巻き込みで有効。その後は先に失敗した右の一本背負いはやめて、左の一本背負いで技あり。中盤頃に再び左の一本背負いで技ありをとり合わせて一本勝ち。

・2戦目
相手:推定180センチ73キロ。高校生。4月3戦目で負けた相手。
前回負けた相手なので今回は絶対勝ってやろうという気持ちで試合に臨んだ。序盤は組み負けて奥襟で潰されて技をうまく出せなかった。出しても全て潰された。一度俺の研究していた組手になり高藤型の肩車を仕掛けようとしたが、相手の手足が長くて踏み込めなかった。そして中盤、相手ががっぽり奥襟を持ち前に踏み出した瞬間に一本背負いに入り自分の肩に相手の左腕を巻き付け思いっきり体を回転させて技ありを取った。その後は相手が攻勢をかけてきた。足技で投げられそうになり危なかったが、思いっきり体を反りなんとか有効で留まった。後は逃げ切って時間終了、勝利。優勢勝ちだが内容はゴミ。4月の時点では俺と同レベルと思っていたが、相手の方が実力は上だった。

・3戦目
相手:推定160センチ60キロ。高校生。顔が強そう。
俺より体は小さかったが、それまでの試合を見た感じだとスピード勝負でスタミナを消耗してくる巧みな相手だったので、次戦で体力を温存するために、技をかけられた瞬間自分から吹っ飛び、開始10秒一本負け。10秒間組んだ感想として、顔が強そうな割に俺と大して実力差はないように感じた。そして昇段試合の成績に関して彼は2勝2分だったので3勝1敗の俺の方が成績が良い(勝てるとは言っていない)。

・4戦目
相手:推定185センチ85キロ。社会人。4月1戦目で勝った相手。
序盤に4月の時のように小内巻き込みを2回程仕掛けたが、今回はかからず逆に返されそうになった。しかし相手が奥襟をガッポリ持ち前に出てきた瞬間に左の一本背負いに入り技あり、その後寝技に持ち込み横四方固めで抑え込んだが体格差もあり返されて有効のみのポイント。ここまでで勝てる感触があり疲れていたけど体がノッていたので、中盤頃に再び左の一本背負いで技ありをとり合わせて一本勝ち。

ということで弐段昇段試合は5勝2敗で合格。投の形の講習と試験で合格すれば正式に弐段に昇段だがこれはほぼ落ちないらしく、試合が重要な要素なので実質的に弐段に昇段。5勝すれば弐段昇段と事前に友達に聞いていて、5月の昇段試合で確実に3勝するための作戦を考えた。そして面倒な相手の3戦目でわざと負けて体力温存し、4戦目で勝ちに行く戦略をとり実際勝ったのは個人的に好プレーだと自評している。

タイミング的に新しい柔道着と帯が欲しい。さすがに実力を考えて金の刺繍を入れるのは憚れるが、モチベーションを維持するためにそれなりの格好をして練習と試合をやっていきたいと思っている。

次の目標は27〜28歳で参段取得。正直なところ。参段四段はオッサン相手が多くなり弐段昇段より体力(=スタミナと筋力)的に楽そう、はっきり言うと今回昇段に来ていた参段四段は見た感じ弐段よりも弱かったので、一発の技で一本をとれる精度の高い技を磨いていきたい。