3年半を較べる

N(イニシャル)というニコニコ生放送の将棋生主がいた(いる)(現在完了形的なニュアンス(?))。
俺が将棋を始めたのは2013年5月であり、Nもほとんど同時期であった。当時は他者の大局観を知りたいがためにニコ生の将棋生主の放送をよく見ていて、Nは将棋を始めたのが同時期ということもあり特に見ていた。初めの数か月のレーティングは俺が200〜400程度、Nが200程度だったと記憶している。正直Nに才能を感じられずすぐに辞めるだろうと思っていた。暫くはレーティング(定量的)も棋力(定性的)も俺の方が一つ上であった。中級(550)に昇格したのが2014年1月で俺の方が少し早かった記憶があるが、Nもほぼ同時期に中級に上がった。ここから記憶が曖昧になるのだが、俺は2014年内にレーティングを1050近くまで上げたが努力をしなくなって実力が頭打ち、Nは1050を越えて上級に昇級していたと思う。

ニコ生将棋生主の放送を2年以上見ていない。いや今年1回だけNの放送を見たのだが、2−3年前と変わらずリスナーからアドバイスをもらいながら対局後の検討や棋譜並べや詰将棋などを行っていた。一方の俺は将棋を半年に一回程集中的に指す程度になり、対局後の検討・詰将棋・定跡勉強・棋譜並べ・研究など"棋力向上に資する努力"を一切やらなくなってから2年以上も経つ。

そして2016年10月、将棋連盟の騒動を受けて俺の将棋熱が少し高まり、久しぶりにNの現況を窺おうと将棋倶楽部24で検索をかけるとレーティングが1500近くまで上昇していて、初段まで秒読みのところまできていた。俺は未だに900台から1000台をフラフラしている。かと言って努力もしていない。

これまた俺とNとほとんど同時期に将棋を始めたであろうニコ生主がいたのだが、指すことだけを楽しみ努力があまり見られなかった。同様に24で検索をかけると3年前と変わらず低級であった。

将棋を始めて3年半経った2016年現在、あまり努力をせずレーティング500の某生主、努力を途中で放棄してレーティング1000の俺、努力を継続してレーティング1500のN。努力の差がそのまま実力の差になっている。

別に将棋倶楽部24のレーティングを勝ち負けで競っているわけではないのだが、負けたことに関する感情には悔しさ・憤りタイプと清々しさ・気持ちよさタイプの二種類があるとすれば、今回は珍しく後者にあたる。

近況、将棋、雑感など

10月初めに内定式があり会社から様々な資格取得を要求されることになった。会社の資格取得へのサポートが去年の内定先より手厚いのでそれは良い。義務的な諸資格に加えて、11月に簿記2級を、12月にTOEICを受けるし、大学の講義から課題やレポートも出るので、座学の面ではなんだかんだでやることは多い。最近は大学にいるか柔術をしているかファミレスで作業をしているか家でだらけているかの生活だ。ファミレスは勉強するもよし、柔術のことを考えるもよし、思索(そんな高尚なものではない)に耽るもよしということで俺の作業場と化しているので居心地が良い。

ちなみに柔道は9月下旬から小休止。いつ復帰するかは分からないが当面はブラジリアン柔術に集中すると熟慮の末に決断した。

10月に入ってから日常生活の中で自分のすべきこと&自分のやりたいことが明確になったので、2016年上半期の五里霧中状態からは一応脱することができた。しかし未だにPDCAサイクルのPの段階であるので、今考えるべきは行動と結果を出すことである。

註:大学卒業や資格試験勉強や柔術やトレーニングなど短期的な目標は据えたが、そういった小さな目標の連鎖の頂点にある、生きる目的といったような究極的な目的は未だ見つかっていない。

総合格闘家青木真也の「空気を読んではいけない」という本を偶然見かけて立ち読みした。青木選手は恐らくこっち側の人間(良い意味ではない)であり勝手に親近感が湧いたし刺激になりそうな言葉が多かったので買って手元に置きたいところだ。青木選手はアンチが非常に多い印象があるが、寝技技術はトップクラスであり才能がないことを割り切り努力と戦略で上を目指したことはやはり凡人とは違う。またブラジリアン柔術雑誌である柔術魂10を買おうかずっと迷っていて、柔術の練習帰りに本屋で頻繁に立ち読みをしているうちに全体に目を通してしまった。結局買っていないのだがCARPE DIEMの橋本知之選手のページは今でも気になっている。

oasisのアルバム「Be Here Now」のリマスター盤が10月12日発売ということで前日にamazonで注文し発売当日に届いた。歌詞&和訳カードが一番の収穫かもしれない。TOEIC680点の英語弱者としては自分の訳に自信がなかったため、「The Girl In The Dirty Shirt」「It's Gettin' Better (Man!!)」「The Fame」など個人的に好きだけどマイナー曲の正規訳を入手できたのは大きい。

10月になり急に肌寒くなってきた。このくらいの気温と天候だと音楽を聴きながらの徒歩が楽しくてずっと歩きたくなる。20代〜30代に書き上げた長渕の曲は寒い時期と相性が良いので、これから半年は長渕を感じていきたい。長渕剛の「逆流」という曲の冒頭に「僕がここを出て行くわけは誰もが僕の居場所を知っていたから やさしさを敵に回してでも生きてる証が欲しかった」という歌詞がある。出て行ったら行ったで「裸足のまんまで」にあるように「しがない街に生まれてやっとここまで辿り着き だけどのっけからこの様さ 心が寒くて死にそうだ」というどうしようもなさは俺にはとても分かる気がする。「裸足のまんまで」と「明け方までにはケリがつく」を無性に聞きたくなりアルバム「昭和」を最近手に入れた。

日本将棋連盟の三浦九段への竜王戦七番勝負出場停止処分とソフト使用疑惑。真相はわからないが、俺は三浦九段を勉強熱心で将棋に対して大真面目な棋士と認識していたのでこの疑惑が出たこと自体がかなり意外だった。橋本八段の例の発言などから、棋士の中では色々噂があったのかもしれない。竜王戦七番勝負には丸山九段が繰り上げ挑戦者として登場し1局目は予想通りの角換わりであったが、25手目の▲4五桂の局面で順位戦の渡辺三浦戦とほぼ同一局面を出現させたことに丸山九段の意図を感じた。

俺の将棋事情だが、将棋ウォーズの二つ目のアカウントを弐段に昇段させた。一つ目のアカウントを弐段にしたのは2014年の2月頃だったので2年半ぶりの弐段昇段である。参段昇段は真面目に努力しないと無理そうだ。将棋倶楽部24は6月頃にR1050辺りからR700まで落ちて指す気がなくなったのでそれ以来滅多に指さなかったのだが、最近10連勝して再び800台後半まで戻すことができたので再び指す回数は増えている。将棋歴も単純計算で3年半、実質2年ほど経つので、いい加減上級(5級〜1級)で安定したい。

思索でも勉強でも柔術のイメージトレーニングでも"頭を使い生産する活動"は寝起きから近ければ近い方がいい。寝起きは頭がクリアで元気だからだ。ウェイトトレーニングにおいても、体が元気な状態で大きい筋肉から鍛えた方が効率的なのと似ている(?)。疲労状態では何をしても効率が悪い。こう考えると寝起きの数時間にどれだけ集中力をもって生産性のある活動するかが重要になる。夕方以降は集中力の比較的必要のないルーティンワークをこなせればよい。

「我以外皆我師」という言葉を最近知った。人並み以上に「教わること」が好きな俺にすんなりと入ってくる言葉であった。塾講師のバイトをしていたときに中学生や高校生に趣味のことなどを―生徒を飽きさせないための意図的な雑談というよりも俺の単なる好奇心から―うざがられない程度に質問していたことを思い出す。自分は大丈夫であると信じているが、ともすれば年齢を重ねるごとに人格と思考は硬化していくので、この格言を頭の片隅でも置いておきたい。

ブラジリアン柔術覚書2

ブラジリアン柔術を始めて3か月が過ぎ、練習回数でいうと約50回まで到達した。9月下旬を区切りに柔道から一旦離れて柔道関係者にばれないようにこっそりと柔術道場に週5-6回のペースで足を運んでやる気を見せているからか、色帯の人から自主練習会にも直接声をかけてもらえるようになった。打ち込みでテクニックを覚えたり復習する際、初心者期はほとんど見よう見まねに近い形式的な練習に留まっていたのが、最近は技術的に以前より細かいところまで詰められるようになっている。トレアナや腕十字のような基礎的なテクニックでも丁寧に練習するように心掛ける余裕が少しずつ出てきた。スパーリングでも柔術テクニックや柔術ムーブが以前より少しは出せるようになったし、色帯の人に「動きが柔術になってきましたね」と言われとても嬉しいと思った(ゆとり世代並の感想)。

スパーリングでは初回の練習から色帯の方達に徹底的にシバかれてきたこともあり防御の技術は少しだけ上達したと感じる。一本負けやポイントを取られる回数は体感的に減っている。階級が上の青帯の人と5分程度スパーの相手をしてもらい引き分けに持ち込むことも一回だけあり、体が一回り大きい青帯の人とのスパーの後に「少しガチでやっちゃいました」と言わせることもできた(それでも6分で2-3回一本をとられた)。しかし未だに紫帯の人達とのスパーリングでは全く何もできずに防戦一方になることがほとんどである。黒帯の先生とは体格は同じくらいなのだがレベルが違いすぎて全く相手にならない。まぁそれでも確実に前には進んでいるだろうことは実感できる。

色々出来るようになりたいのでガードポジションもパスガードも防御も満遍なく練習しているが、中でも今は取っ付きやすそうなスパイダーガードを課題と設定している。リバースデラヒーバとXガードがマイブームではあるがスパーリングで全然決まらないので、とりあえずは打ち込みではスパイダーガードに1回は触れるようにして使えるようにしたい。

近況等

久しぶりの大学の話。大学3年の夏〜秋頃に経済学に対して「コレジャナイ感」を抱き、留年前=大学4年の就職活動を通じて労働者として経済活動の歯車になる生き方に身を投じる覚悟をしたため、凄まじいほど勉学に対するモチベーションが下がった。そんな低モチベーションの中、嫌々ながら試験勉強を行い9月1日にS1S2の成績発表があった。昨年の同時期は就職活動で1単位もとらなかったが、今年は就職活動にほとんど時間をかけていないのでS1S2の試験を受けた科目はすべて単位を取得することができた。

註:このブログで書いたかどうかは忘れたが内定は6月の初めに頂き就職活動はそこで終えている。

7月の定期試験期間とその試験勉強のためウェイトトレーニングが疎かになっていき、同時に夏を通じて食欲が湧かず体重も今年3月〜5月の68〜70kgをピークに漸減して、8月の61kgをボトムとして今では64kg程度まで落ちてしまった。

俺のトレーニングは中負荷中回数であるがトレーニングノートを見返しすと、1セット内の同じ回数(7〜10)でも持ち上げられる重量は少しずつ上がっている(ここ1年は同じようなメニューなので比較しやすい)。また柔軟性も少しは意識しているので、開脚ストレッチも以前と比べて開くようになっている。体幹が弱いのでトレーニングをしたいのだが、体幹レーニングには批判が多いため躊躇している。単に筋肥大だけを目指すのではなく、柔軟性や体の表現力やスピードなど総合的にフィジカルを向上させていきたい気持ちは変わらない。

東京マラソン2017に一般の枠から応募したが落選した。今年2月東京マラソンに出る知人の応援に行ってランナーが楽しそうだったので「走ってみたいな〜」と口走ったらその人に薦められ、何となくの気持ちで8月に応募したのだが、抽選結果日が近づくにつれて走りたい気持ちが高まっていたので落選して非常に残念。

10月にOASISの「Be Here Now」のリマスター盤が発売される。「Definitely Maybe」「Morning Glory」のリマスター盤はデモ版やライブ版や曲の追加が良かった。元々「Be Here Now」では「The Girl In The Dirty Shirt」「It's Gettin' Better (Man!!)」「 D’You Know What I Mean?」くらいしかよく聞く曲がなくお気に入りのアルバムとは言い難いのだが、リマスター盤ではそれらのデモ音源や「The Fame」のデモ音源や「 My Sister Lover」のリマスター版なども収録されており非常に楽しみである。

OASISはアティチュードで歌うバンドであり、CD音源だけじゃ全く物足りないのでライブバージョンの音源もどのライブか覚える程聞き込んできたのだが、それも最近聞き尽くしたため最初期のColour My Lifeなども聞くようになった。OASISの聴き方がマンネリ化しそうだっただけに新しいアルバムの発売は吉報である。

寝技覚書2

「寝際」=寝技への移行を自らの研究課題として取り組んでいる。その中でも特に"実戦性"を意識している。俺のような寝技素人が、寝技へ引き込んでダブルガードになりベリンボロで回転して抑え込む、なんていうのは実現可能性が極めて低いので今は考える必要がない。練習しているのは以下、練習メモみたいなものである。

1.ケンカ四つにおける巴十字
ケンカ四つにおける巴十字はターゲットである相手の釣り手を掴んでいない状態から入るので巴十字に入ったときに素早く相手の釣り手を掴みなおす必要がある。よって相四つの巴十字より一段多くのモーションが求められるため難易度が高くなる。

2.巴投げ→草刈り→袖車絞or肩固め
巴投げで投げられなかったときに残った足を利用して、柔術道場で教えてもらったスパイダーガードから後ろに倒すテクニックを使う。その後は相手に密着して圧迫を加えながら袖車絞や肩固め。正面から絞めに入る際には袖車絞のほかに突っ込絞や十字絞などがあるが、袖車絞の場合は相手に密着して上半身の力を利用しながら入ることに強みがあると考えている。袖車絞が無理そうならそのまま肩固めに移行すればよい。

3.引き込み→コムロック→腕を極める
コムロックはうまく決まればなかなかほどくことが難しいので早く習得したいテクニックである。コムロックは最終形態でないためそこから三角絞や十字絞など技に入るのだが、時間をかけず腕を極める方法を練習パートナーに教えてもらった。名称は分からないが腕固めに近いものである。

4.(内股→)隅返し→寝技
内股→隅返しという連携が好きなので、隅返し後の寝技の研究も同時に行っているが試行錯誤中である。隅返しで投げれなかった場合はブラジリアン柔術で言うところのハーフガードの体勢になることが多いため、抑え込まれるリスクが大きい。柔術道場でハーフガードで下から攻めるテクニックを幾つか習ったのだが、実戦ではなかなかうまくいかず苦闘している。まぁハーフガードの練習あるのみだろう。

5.相手が背負い投げ→送襟絞
オーソドックスな技術だがかなり有用である。これは絶対使えるようになりたい。


また投げ技としての(横)巴投げも乱取りで使用している。友達に聞いたり、加藤博剛や小室宏二などのトップ選手から一般選手まで幅広く動画を見ることで勉強している。友達には実戦でも使えるレベルになりそうとコメントされたので磨きをかけたい。

リオオリンピック柔道所感

今更感が漂っているが少し書き溜めていたので。今回の大会では寝技が多く見られ、また同時にブラジル人選手を中心に跳び関節や巴十字や巴投げや隅返しによる引き込みも目立った。柔道に普段関心がなくオリンピックでしか観戦しない層にとっては技の豪快さ・派手さがなく退屈に感じたそうだが、柔道家ブラジリアン柔術家の端くれである俺にとっては面白い試合が多かった。

五輪前に73kg級の大野将平と81kg級の永瀬貴規は金メダル確実、60kg級の高藤直寿選手が金メダル有力と予想していた。結果は大野とベイカーと田知本が金。田知本の試合はハラハラした試合が多く、全部面白かった。60kg級の高藤は普通にやれば勝てたはずだが、日本人がよくやられる外国人の隅返しにうまくかかってしまった。66kg級の海老沼は予想通り。相手が強かった。81kg級の永瀬は珍しい形の袖釣り込み腰(?)でポイントをとられてしまい、運悪く負けたという感じ。同い年・同じ地域ということで小学生の頃から知っている100kg級の羽賀は相手の相性が悪かった。100kg超級の原沢はリネールに柔道をさせてもらえず銀メダル。俺の柔道友達は、原沢も組手を切っていて且つリネールより技が出なかったので負けてもしょうがなかったとのこと。

73kg級の大野将平はもともと俺の最も好きな選手の一人だったので、彼の強さが日本全体に認知されて嬉しく思った。準々決勝のグルジアの選手は強かったが、それ以外では大野の実力が抜きんでていた。

メダル数12個という好成績をたたき出すことができたのは、井上監督の努力もあると思うが、一番はロンドンの時と比べてかなり強力な布陣であったことが大きい。特に81kg、90kg、100超kgという外国人選手層の厚い階級で永瀬、ベイカー、原沢という選手が出てきたのが大きかった。また井上監督の、サンボなど他格闘技からもテクニックを吸収する姿勢は非常に好感がもてた。選手の動きを見ているとブラジリアン柔術のテクニックを勉強したことがも推察される(松本薫オモプラッタのような動きなど)。「強くなるために多方面から学んで実戦していく」という風潮が今後の日本柔道界全体に広がることを願う。

外国人選手について。
ブラジルの女子57kg級のハファエラ・シルバ(Rafaela Silva)は今大会初のブラジル金メダリストとなったことや貧民街出身ということもあり注目を浴びた。俺の好きな柔道家でトップレベルの寝技師でありカントチョークでも有名なフラビオ・カント(Flavio Canto)の施設の出身でもある。ブラジル選手は全体的に寝技の動きが巧く、ブラジリアン柔術の影響がよく見られた。

60kg級金メダルはロシアのムドラノフ(Mudranov)。細身ではあるがバランス感覚に優れた選手だった。カザフスタンのスメトフ(Smetov)、韓国のキムも日本の高藤と並ぶ強豪であり、メダリストは大方予想通り。66kg級金メダルはイタリアのファビオ・バジーレ(Fabio Basile)。この優勝は意外であったが、国士館柔道部の知り合いによると国士館に出稽古に来るなど熱心な柔道家らしい。81kg級金メダルはロシアのハルムルザエフ(Khalmurzaev)。元々知らない選手だったためyoutubeで試合を幾つか見たが、日本の永瀬のように捉えどころのない柔道をするタイプである。今大会60kg金のムドラノフ、ロンドン72kg級金のイサエフ(Isaev)、ロンドン100kg級金のハイブラエフ(Khaybulaev)などロシアの強豪はコーカサス出身のイメージ。同階級で銀メダリストのアメリカのトラヴィス・スティーブンス(travis stevens)は柔術家でもあり、ヘンゾ・グレイシーの道場出身である。とある柔術サイトによると柔道よりも柔術の練習時間の方が長いらしい。この選手は何よりもロンドンの時にドイツの選手とのガンの飛ばしあい→土下座の印象が大きい。100kg級は羽賀が負けた瞬間に寝たのでよくわからない。

全体を振り返ると、今回は実力では日本が頭一つ抜けていて、強豪韓国があまり奮わず、ヨーロッパ勢はいつも通り、ロシア・グルジアアゼルバイジャンなどのコーカサス地域やカザフ・ウズベクなどの中央アジア地域などの活躍が目立った。

せっかくのオリンピックということで、柔道やブラジリアン柔術と同類の組み技系格闘技であるレスリング(フリースタイル)も少し見てみた。素人目から見て、立ち技は下からのタックル、上からのがぶり、あとは裏投げや体落とし系の投げ技が多い印象を受け、また前傾姿勢の構えやバックの取り方・片足の取り方など寝際の攻防がブラジリアン柔術と似ているように感じた。

東京オリンピックの柔道日本代表では、60kg級の古賀玄暉、66kg級の阿部一二三、81kg級の藤原崇太郎、100kg級の飯田健太郎あたりの若い世代の活躍が期待される。あとは大野、ベイカー、永瀬などの中堅・ベテランがどこまで頑張れるかである。

寝技覚書

ブラジリアン柔術を始めて1か月半が経った。スパイダーガード、デラヒーバガード、リバースデラヒーバ、ハーフガード、ラペラガード、クロスガード、シッティングガード、Xガード、ワンレッグXガード、ベリンボロ、各種ガードに対するパスやベースや防御、亀に対する攻撃、抑込技、関節技、絞技、各種技の連携・移行など様々なテクニックを色帯の先輩の助力を得ながらインプットし、加えて自らの課題として巴十字(相四つ・ケンカ四つ)を独自に練習してきた。今まで習ったテクニックを簡単に組み合わせることができる程度に知識をインプットしてきたのだが、スパーリングで使えるどころかそれらを打ち込みで復元することすら儘ならないのが現状であるので、あとはそれらをひたすら反復して実戦的なレベルまで消化したい。同時に、無数のテクニックを覚えるにしてもそれら全てを使いこなすことは不可能であるため、実戦で有効なテクニックを見極めて選んでいく必要性も感じる。

柔術本はJean Jacques Machadoの『チャンピオンシップテクニック』の1冊しか持っておらずじっくり読み込みたいのだが、白帯の俺にはややレベルが高い。今は先生や他の人から教えてもらったことを覚えることに専念する。

最近の一番の悩みは、「スパーリングで自ら引き込んで下の姿勢になっても速攻でパスガードされること」である。レッグドラッグのようなシンプルなパスガードですらうまく防御できないので、目下ここをうまくクリアしたい。

柔道の寝技に関しては、小室宏二氏の『柔道固技教本』やyoutubeで独学している。投げ技としても引き込みとしても使える巴投げは、90kg級の加藤博剛選手の試合を参考にしている。柔道の乱取りでは寝際(=寝技への移行)を練習したいと思い、相手の背負い投げに対して絞技を繰り出したり、引き込みとしての巴十字や巴投げを意識して練習するようにしている。

書店で柔道本を立ち読みしていると実戦的な解説書はかなり少ないように思われるが、小室氏の『柔道固技教本』は実戦的でレパートリーも豊富なのでかなりの良書である。コラムも面白い。寝技師として有名な柏崎氏の本も最近出たらしいので時間があるときに立ち読みしてみたい。

追記
書店で大賀幹夫氏の『寝技の学校 関節技編』を立ち読みした。技が豊富で読みやすかったので是非とも入手したいのだが3000円近くと高いので保留。

俺は小室宏二氏の言う「寝際」を大切にしたいと思っている。「寝際」とは立ち技から寝技への移行段階であり、寝技で膠着する前の状態を指す。ということでブラジリアン柔術においても"寝技のための立ち技"を意識する必要がある。

俺の寝技への移行パターンとしては
1.柔術立ちの姿勢から相手の両袖を持って引き込むor座ってシッティングガード
2.組手争いをして立ち技勝負を匂わせる→相手が引き込むor座る
3.立ち技から引き込み腕十字or巴十字
とこの3つに大別される。

テイクダウンのレパートリーとしては柔道技は勿論のこと、柔道で禁止となった小内刈→朽木倒し、タックルなどレスリング系の技も取り入れていきたいと考えている。引き込みのレパートリーとしては、巴投げ、(内股→)隅返し、帯取り返しなど。「寝際」勝負に持ち込むなら上記の2と3を強化する必要があり、特に3はかなり実戦で使えるので、引き込みから自分の形に持っていく練習を意識していきたい。