日経新聞・新聞紙処理覚書

日経新聞を読むときは基本的には電子版を活用するが、Wプラン(宅配と電子版の併用)で契約しているために新聞紙が日に日に溜まっていく。新聞紙を読まずに捨てることは自分のルール上禁止なので、新聞紙を溜めては全て読んでの繰り返しなのだが、今回は2015年4月から2016年2月までの11か月分、約500紙の新聞紙を処理せずに溜めていたためいつも以上に労力を要する作業になっている。今年の2月下旬からそれを一気に読んで興味のあるトピックを切り抜いて処理しており、現時点で恐らく6割程度は減らした。

日経新聞の保存方法としていくつかある。
1.新聞紙を切り抜いてファイル等に保存する
2.スマートフォンで撮影して画像フォルダに保存する
3.エバーノートで写真を撮り保存する
4. 日経電子版から同一記事を探してマイページに保存する
5.エバーノートで電子版の同一記事を保存する

最も原始的であるが視覚的に優れている方法である1番が俺にとっては最適であるように感じるので2年前から現在完了形(継続用法)で実行している。

日経の新聞紙を消化していると同じようなテーマが繰り返し記事の中に書かれている2015年から2016年にかけてよく見たワードを極めて主観的に雑に羅列すると

軽減税率(政治)
安保法案(政治)
TPP(政治)
アベノミクス(政治、経済)
物価上昇目標(経済)
原油安(経済)
中国経済減速(国際・経済)
アメリカ利上げ(国際・経済)
中国の南シナ海進出(国際)
中東難民、シリア内戦(国際)
ファンテック、IoT(企業・経済)
インフラ輸出(国際)
コーポレートガバナンス(企業)

あたりである。金融欄でよく投資信託だったりETFというワードをやたら見るのは以前から不思議に思っている。

中国イヤーといっても過言ではないほど「中国」という単語を見た。中国に関しては、経済減速による需要減と周辺新興国への影響懸念、人民元の主要通貨への仲間入り、南シナ海への進出強化等、政治経済共に世界に大きく影響を与える国であることが分かる。大和民族に誇りを持つ愛国者がどれだけ自国の偉大さを主張しようとも、グロスで見る現代中国が日本を抜き去り米国に次ぐ第二位の国となったことは認めなければならない。なお経済格差、一人当たりGDPの低さ、民族問題やテロなど課題は依然山積みである。しかし確かに内憂ではあるが、一つの中国、AIIB発足、シルクロード構想、南シナ海進出など、国際政治における中国のプレゼンスという観点から言えば外交的には充実している印象がある。今後中国のプレゼンスは増々高まり、日本にとってはアメリカと同程度に動向を注意深く見る必要のある国になることは明らか。というかもう既になっている。

米国の利上げに関してはリアムタイムで常に動向を見ていた身としては、引っ張ってギリギリ年内に利上げしたので特にサプライズ感はなかった。市場は既に織り込んでいたのか、米ドル/円の為替レートが激動することはなかった。米ドル円130円待望論は遂に実現することはなかった。最近のはげしい動きと言えば、マイナス金利発表後の120円超え→110円台→114円前後くらいだろう。これから先のことは神のみぞ知るが、113円〜118円あたりのレンジ相場か。

続いて中東。シリアではアサド政権(ロシア)、反政権(アメリカ)、イスラム国の群雄割拠で、難民がトルコを経由し欧州へ移動。その欧州では難民政策で各国が不一致。サウジとイランが宗派問題を巡り国交断絶。アメリカとサウジの関係悪化、イランに対するアメリカの制裁解除。イスラエルパレスチナの緊張状態。チュニジアやエジプトも政情安定とは言えないだろう。UAEカタール、イエメン、オマーンなどはあまり話題になることはなかった。トルコは東部でクルド人の問題を抱えている。中東諸地域は戦時中からの領土問題やイスラム教や米ロの利害対立が事を複雑にしており、安易に中東の平和を願いますなんて言えない惨状である。中東はイスラエルを除き、アラビア語イスラーム教と同じようなバッググラウンドを持っているのになかなか争い事が止まぬ。アラブの春とは混乱を招く運動だったのか、それとも中東安定への過渡的な役割だったのか。

人工知能、IoT、ファンテック、インダストリー4.0、自動運転自動車。この辺は疎いので、IT、情報革命による産業への影響が大きくなるらしいくらいの知識しかない。個人的な感覚としては、金融や自動車や小売への影響が特に大きくなりそうだ。

翻って国内。安倍政権の大きな柱は経済政策であるが、ドル円115円程度、日経平均株価1万円後半程度を維持で大企業を中心に業績は政権交代後に上向いた。目下物価上昇率を2%に上げることに躍起になっているが原油安で思うようにはいかない。また直近で言えばマイナス金利政策で資金調達や投資促進を狙っているという現状。また税制改革などもあり、景気刺激政策に積極性が見られるが、歳出減ではあまり良い評価が聞かれない。

税収増によって国債依存率が減少したという。来たる少子高齢化による社会保障費の増大と労働人口減少による財政逼迫は避けられない。生産性向上によってそれを補うことができるという議論があるがどうだろうか。現在進行中である成長頼りの税収増と財政再建がどこまで可能かは分からない。

安保法案成立=徴兵制、戦争というのはセンセーショナルで短絡的すぎる。結果的に善か悪かであるかは分からないが、経済のグローバル化が大きく進展する中でそれと同時に日本が軍事的にも国際社会に参加するという流れは必然だと個人的に考えている。安保法案成立だけでなくTPPなどの貿易協定、東南アジアへのインフラ輸出、民間レベルでは銀行の中国進出、大手企業の海外企業買収など、日本全体でグローバル社会に積極的に参加する気運が年々高まっている。