日記帳

今年は日記でもつけてみようと思い、先日、日記帳を新宿に買いに行こうと思い立った。

学校帰りに寄るつもりであった。学校の教室はずっと寒かったしこれから外も寒くなるであろう時間帯だったので早く帰りたかったが、日記帳を1日でも早くつけたかったので買い物に困らない新宿に向かった。

最初は駅から暫く歩いたところにあるタイムズスクエア。その中に東急ハンズがあるとのことだが慣れていないためなかなか見つけることができなかった。漸く見つけると盛況である。人が混み合っていてゆっくり品定めできるなんてものじゃない。混雑の中でも腰を下ろして手にとってみたがしっくりこない。なので東急ハンズは出た。

その後も新宿を歩き回り日記帳を探したが、特に欲しいと感じるものはなかった。

最後に新宿駅の西口まで歩き小田急百貨まで来た。地上から数えて高いフロアに文房具屋があったのでエスカレーターで向かった。やっとのことで着いたその文具店でも腰を下ろして丁寧に一冊一冊調べた。そしてようやく良さそうな日記帳を見つけた。2年分記入できる日記帳である。2000〜3000円と品質を保証しつつも手の届く値段だった。良いものを見つけた、数時間新宿を歩いた甲斐があった。

これにしようと決めてレジに向かおうとしたとき、立ち止まりもう一度日記帳をパラパラめくって確認した。暫くパラパラめくったままその場に立ち尽くした。すると急に、これから2年間何をしたのかが毎日記入されるであろうことに気味悪さを感じ、気分が悪くなった。

その薄気味悪さに関しての分析は放棄した。寒くて早く帰りたいと思いつつ日記を買うためだけにわざわざ新宿まで来たはずの僕はその日記帳を元の場所に戻し足早と文具屋を出て帰路についた。未だに僕の部屋には日記帳が置かれていない。