2/22から2/28までに観た映画

イエスマン
面白くはなかった。途中まではコメディとして良かったが、その後失速して、最後の方はとりあえずラブロマンスで感動っぽい演出をしました感が漂っていた。ラブロマンス要素がなかった方が面白く感じたと思う。

・レオン
個人的にはかなり好きな作品となった。個人的ベスト5に入る。とにかくレオンが激しぶでかっこよく、そのかっこよさを楽しむ作品であった。そしてマチルダとのバランスが絶妙で良かった。ストーリー展開が好みというより、「初恋のきた道」のように映像美を感じた。

アイ・アム・サム
面白かった。サム役の演技力がすごかった。この映画に悪い人は出てこないので、「主人公は恵まれている」とのレビューを見たが、確かにその点では非現実的な話ではあると思う。それを差し引いても良い作品であると思う。

・マネー・ショート 華麗なる大逆転
後にサブプライム危機に至るアメリカの住宅バブルにおいて、バブル崩壊を予見して巨額の利益を得た投資家の話である。金融用語が連発されるが、作品内の登場人物によって分かりやすく解説される。「世紀の空売り」という本が原作となっていて(俺は2〜3年前に購入したがいまだ未読である)、”空売り”がこの作品のキーワードであるかのように見えるが、マネー・ショートの”ショート”とはここでは正確に言えばMBSCDOに係るCDS(Credit Default Swap)の買いのことを表している。原作の「世紀の空売り」は確か厚い文庫であった記憶があるので、2時間程度でさっと内容を確認できて良かった。

七人の侍
個人的ベスト3に入る作品。それほど良かったと感じる。百姓の小市民的な生き方に対して、侍の大らかで目先の生に捕らわれないが同時に儚くもある生きざまがよく感じ取れた点が良かった。作品の終わり方もすごく良い。また、登場人物全員の表情が迫真で映像としても非常に優れていた。ものすごくざっくり言うと全体を通してエネルギーが溢れていた。ネット上に解説がたくさん転がっているので読んで比較したりするとさらに楽しめる。

・百円の恋
ネットでの評価が高かったから観たのだが、個人的には退屈な作品で何も感じることはなかった。物語前半部分では”汚い”シーンがよく見られ主人公を取り巻く閉塞的な状況を意図的に描写したのであろうが、俺の経験からすればそもそも主人公は言うほど自堕落で絶望的なわけではないという感覚があった。

ライフ・イズ・ビューティフル
物語の展開としては良かったし名作だとは思うが、自分としてはそれ以上ではなかった。悲しい題材を扱っているのに終始コミカルで且つ美しさを感じさせる作品の見せ方はすごいと思った(小並感)。

スタンド・バイ・ミー
特に何も感じなかったが、それは未だに俺が少年的な心を持ち続けているからであると考えられる。イスラエルやモンゴルや国内の車旅に一人で出たとき、もしくは友達とノープラン弾丸ドライブに出たときに、この4人の少年と同じような気持ちになれる。この作品で過去を振り返って懐かしむ段階までまだ俺が来ていない。

ナポレオン・ダイナマイト
かなり面白い。見返したくなる。松本人志の「ビジュアルバム」を見ているようだった。特に何が起こるわけでもなく、心が揺さぶられるわけでもなく、爆笑するわけでもないのに、である。アメリカの田舎に住む、ダサくてショボくてとるに足らない高校生とその周囲のしょうもない日常の映像という程度のものであるのに、「ライフ・イズ・ビューティフル」や「スタンド・バイ・ミー」より面白かった。俺の想像するアメリカらしさが全くなく、脱力系、不思議系なコメディであった。レビューを見ると主役のダサさに定評があるが、俺は特に彼の走り方がとても良いと感じる。

羅生門
七人の侍」に続く黒澤明の2作目。見終えたときは期待以上のものではなく、「七人の侍」が良かっただけに少し拍子抜けした。3人の証言がドラマティックに脚色されていたのに対して、端から見たら実はグダグダだったというのは面白かった。映画ド素人の俺が名作に不平を言うのは僭越であるが、最後の赤ん坊を抱きかかえて去るシーンは蛇足に感じた。下人が着物を持ち去ったところで映画が終了するのもそれはそれで面白いと思う。


生涯で観た映画が50本を超えた。好きな作品を5つ挙げるなら「七人の侍」「初恋のきた道」「ナポレオン・ダイナマイト」「レオン」「きっとうまくいく」になる。