新聞紙版日経新聞処理完遂/フィジカルから逃げるな

11か月間程溜めていた新聞紙版・日経新聞を全て読み終わった。恐らく500紙程度。2月の中旬頃から始めたので約1か月ほどかかった。骨の折れる作業であったが、特に経済・金融の勉強になり、収穫は大きかった。但し社会面は一切読まなかったため国内事情については疎い。

誤解されたくないので再三言ってるのだが日経ニュース自体は電子版を通じて読んでいた。新聞紙と電子版を比較すると、視界に入る情報量が新聞紙の方が多いため、電子版より知識のインプットの面では捗るという感覚を得た。

溜めた日経新聞を消化していると他の人に言うと、過去の記事を読んで意味があるのかとの疑問を投げ掛けられることが多い。勿論、アメリカ利上げへの探り、安保法案や軽減税率に関する議論の進行程度などその時点でしか価値がない記事もあるが、「経済教室」「社説」などのコラムを始め、一般論の解説など、普遍性のある文章も沢山落ちているので、過去の新聞記事を読んでも意味はあると自分では結論付けている。

経済学という学問体系に一切の興味を見出せなかった俺にとって、現実に起こっている経済活動を把握するという作業は、無機質な教科書を読むという極めて外圧的な作業よりは遥かに楽であった。世界経済の先行懸念が和らぎリスクオン志向が自然な相場でもEU離脱問題や米利上げへの疑いなど市場の様々な観測を織り込んで円高になるという一つの事象が、外国為替市場における諸仮定と理論で構築された仮構世界よりも面白いのは当然である。

ラグビー日本代表五郎丸歩選手の「フィジカルから逃げるな」という言葉は、表現こそ簡潔だが金言である。世界大戦前後期の日本格闘技史に燦然とその名を刻み込んだ鬼の師弟・牛島辰熊木村政彦は、ウェイトトレーニングの重要性にいち早く気づき、170㎝という小兵ながらも日本人離れした筋力で他を圧倒した。一方でそれだけに留まらず、木村が合気道の血が流れる天才・阿部謙四郎に敗れて以来、剛の中に柔をハイブリットし、関節技を中心とする寝技など技能面にも磨きをかけた。やがて日の丸を背負ってブラジルの地に立ち、エリオ・グレイシーに対してパワーと技能の両方で圧倒した。

日本における競技スポーツは長らくテクニカルな面だけに着目してきたという旨の話をよく聞く。しかし技能面を磨くというテクニカルと身体能力の向上というファンダメンタルズは相反するものではない。パワーとスピードと柔軟性、そして各種技能、これら全てを底上げし一つも欠かさないのが理想だ。この中で最も手っ取り早いのが筋力の増強である。