「羽生善治論」

10月24日読了。2013年66冊目。

著者が「神武以来の天才」で有名の加藤九段。最近はキャラが立っていて「ひふみん」の愛称で親しまれているが、戦績を見るとその天才ぶりが窺える。例えば14歳でプロデビューして毎年昇段し18歳で八段になるというのは現代では到底考えられない。タイトル獲得数では2ケタを下回るもののその天才が羽生善治という天才を考察したのがこの本の内容である。まぁ話がところどころで脱線して自分の話になってる箇所が多く見られるが加藤九段にとってはいつものことである。

要約すると羽生三冠の強さというのは
・戦略家、研究家として勉強量がかなり多い
・劣等感がない、勝利に執着していない
・生まれ持って天才である(直観に長け、早指しも長考もできる)
という点で逆に弱点は(ほとんどないが)
・対局数や講演が多く多忙(森内名人に弱い理由)
という点にあるらしい。

最終章に対羽生戦記が述べられている。羽生加藤戦で有名なのは1989年NHK杯準々決勝の61手目▲52銀であるが、加藤九段にとってはそれよりも43手目▲48玉に驚いていたらしい。ここは意外だった。