「12歳の文学」

12歳の文学

12歳の文学

8月12日読了。2013年56冊目。夏休み5冊目。

何作品かを半年くらい前に読んで、本棚に置いてあったのをたまたま目にして残りの作品を読んだ。ファンタジーには興味がないので文学的な作品だけ読んだ。小学生の文学賞受賞作品ということだが、「子どもは想像力がある」という固定観念を検証するために読もうと思った。

心理学的に12歳というのは形式操作期(ピアジェ)の入り口であるし、生理的にも最も変化する年齢であるし、また具体的に生きていく環境も大きく変わる(例えば小学校卒業)。且つ12歳となると複合的な感情や考えを表現できる年齢なので、この年齢層の作品を読むことで原点に帰れるような気がした。

読んだ感想としては、文章力はまだ拙いものの、12歳特有の倦怠感・反抗期・将来への期待が読みとれて、自分もこんなだったかもしれないなと言語化できない深みまで12歳の頃を思い出せたので良かった。他の人の感想を見ると「小学生にしては暗い」というのもあったが、大人の停滞した陰鬱さとは違ってそこには「克服」や「前進」のような前向きなものを多少なりとも感じた。