「ほんとうは強い日本」

ほんとうは強い日本 (PHP新書)

ほんとうは強い日本 (PHP新書)

7月30日読了。2013年52冊目。
久しぶりに本読んだ気がする。

1章は震災関連のことで興味がないので飛ばして、エネルギーの今後、情報とインテリジェンス組織の重要さと日本での遅れ、国防のところだけ読んだ。
田母神氏というと極右なイメージを持っている人が多いと思うが、この本を読んで「日本の国益を考えたら必然的にこういう思想にたどり着きました」という印象を僕は受けた。

エネルギーに関しては原発推進派というわけではなく現状において代替エネルギー特に自然エネルギーへの転換は難しいとの見解を述べている。代替エネルギーはいくらでもあるので原発は廃止にしても大丈夫という意見もあるが、僕にはどちらが正しいかわからない。

情報戦に関しては概ね同意。ちくま文庫で読んだ「インテリジェンス」と大意は似ている。日本は情報機構が遅れすぎているため独自の情報収集と分析を欠き、アメリカ頼りになってしまう。アメリカ頼りになるということはアメリカのさじ加減で入ってくる情報も変わるということだ。

戦闘機を作る点においても日本は独自開発を行わないように圧力をかけられている。これは言いかえれば、軍事力において常にアメリカより2歩3歩劣るということを意味する。日本がアメリカに対抗しうる国力を持つためにはまずは軍事的な独立が求められるのだ。

外交や国際関係を人間関係の相似としか見れない日本人が(多分)多い中、国益と合理性を論点にしている点は良かったと思う。