「遺書」

遺書―5人の若者が残した最期の言葉 (幻冬舎文庫)

遺書―5人の若者が残した最期の言葉 (幻冬舎文庫)

4月25日読了。2013年48冊目。

編集が気にくわなかった。大衆受けを狙ったのか、「成績が良かったりスポーツで優秀だったりある程度恵まれた青少年が悪の侵入によって精神に異常をきたし自殺に至った」という図が共通して見えて、文体も小説風でドラマ仕立てだったので読む側としてはしらけた。家族等周辺の反応や事件後の動きはどうでもいいので故人の心情に対する分析が欲しかった。

不謹慎かもしれないが、自殺の理由がいじめだったり鬱だったり失恋だったり、動機と自殺の因果関係が単純すぎて期待はずれであった。三島や芥川のように、観念と混沌の中で死んでいった遺書を読んでみたい。