「銀と金」/「黒沢」
- 作者: 福本伸行
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2005/12
- メディア: 文庫
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カイジより面白いと巷で囁かれていたため読んでみたが、同じ福本伸行作品でもクセの少ない作品であるように感じた。「カイジ」や「アカギ」や「黒沢」では地の文が多用されていてまた会話も単語一語のみの文が出てきたりしているが、「銀と金」はそうした特徴がなく他の漫画に近かった。登場人物の画風も一般的な1990年前後の漫画の画風である。あとはカイジ麻雀編和也編のように一つのことをズルズル引っ張るということもない。
主人公の平井銀二を始めとして登場人物が全員裏社会の人物で且つその搾取方法が悪辣で複雑であるため、読者層は他の福本作品よりも限られるだろう。政治や官僚、銀行や大企業が絡んでくる点で、カイジ的な閉鎖的なギャンブルでなく、スケールの大きいギャンブルになっている。
ということで「カイジ」と比較されることが多いように見受けられる作品だが、僕個人は、プライベートで小規模なギャンブル=カイジ、公的で大規模なギャンブル=銀と金、と2作品違う山の頂点にいるような印象を受けた。
ただ休載という形で連載を終えているらしく完全な完結はしていない。銀二に関しては現役宣言という締め方で納得はできたが、途中まで主人公を肩代わりしていた森田がどうなったのかが気になる。あと最後の最後まで川松良平のキャラの使い方がよく分からなかったのだがあれは僕たちの読者目線のキャラってことなのか。
☆
- 作者: 福本伸行
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2003/06/30
- メディア: コミック
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40代の青春ストーリー。ギャンブルのようなドロドロした展開はないので読みやすい。前半は面白かった。後半はパターンが固定化して失速気味。結末がやはり中途半端な感じがして勿体ない。
ここまでで福本作品の面白さは
カイジ=銀と金=黒沢前半>涯>黒沢後半=アカギ
涯は2巻までしか読んでないけど全4巻なのでこれからの展開は少ないかな。