「生きにくい…私は哲学病」

生きにくい…―私は哲学病。 (角川文庫)

生きにくい…―私は哲学病。 (角川文庫)

2月28日読了。2013年19冊目。
徹夜の読書。

哲学童話・時間論・文学者と哲学・エッセイ・読書案内の5章からなる。まともに哲学ってた時間論と三島由紀夫を扱った文学者〜の章は面白かった。エッセイの方はお馴染みの騒音論が出てきてこれは飽きたので読みとばした。

時間論について。
「未来」というのは決してあるものではなく、例えば明日ということを想定すれば、それは想定された明日のみを表し、明日そのものについては何も触れていない、という議論があったが、彼の尊敬している大森荘蔵氏にモロに影響を受けてる印象を受けた。この考え方すごい分かる。

「私とは何か」というテーマで、私というのは今ここからある風景を見てる視点P0ではなく、過去を想起する際に現実と過去をつなぐもの、みたいな発想の仕方が面白かった。

想起の対象(過去)と想起する作用(現在)とを繋ぐもの、それが「私」である。(P93)

現在の知覚作用と現在の近く対象を「繋ぐ」もの、そのときに論理的に「伴いうる」ものが自己意識としての「私」なのである。(P93)

意識とは想起する時のみ確認されるなら、その他動物は「私」性がないということでOK?でも確かにその他動物は各々に個が確立されてるというより種としての側面が大きいしねっていう。

やっぱ哲学ってええな。