「カイジ」
先日賭博黙示録から和也編まで全47巻を読み終えた。今は「黒沢」「涯」を読んでる。「銀と金」は購入済み。
- 作者: 福本伸行
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結論から言うとかなり面白かった。福本伸行は「アカギ」から入ったクチだが麻雀のみの「アカギ」よりも様々なギャンブルが登場してくるカイジの方が面白い。今まで読んできた漫画の中でベストかもしれないという程良かったしのめりこんだ。ということで「帯ギュ」と「今日から俺は」の俺的漫画史2強にカイジが加わった。
ポピュラーな漫画は大体他人との絆とか愛に収束するので陳腐を極める(例えばワンピなんたら)のだが、「カイジ」4シリーズの場合、過程で団結みたいなことがあるけど最終的にカイジが、さらには登場人物の一人一人がどこか孤独・孤立している感じが好きだ。男女の情事も一切出てない(堕天録の初っ端で美心とカイジのデートシーンがあるが、これは坂崎から300万をもらいこれを原資にギャンブルに出る伏線・スイーツ(笑)系ブ女のネタシーンにすぎないのでカウントしない)。また登場人物に正義漢なるものはいなく、「クズ」「よりクズ」「極悪」の3パターンしか出ないあたりもよい。悪人に対する勝利は「正義」の布教と説教ではなく悪人と対峙し報復すること、これをこの漫画の中では徹底させていた。
心理描写も豊富で神。その他凡百な漫画と異なり、むしろ心理描写がメインと言うこともできる。実際に起こったこと、つまり起承転結を話せば数分でまとめることができる。「どんな漫画?」と尋ねられて「〜が〜する漫画」という形式の答えだけでは決してこの漫画の良さは伝えられない。カイジが勝たねばならないのは、プライド・仲間そんな生半可なものではない。単に生き抜くためである。そのような緊迫感が47巻分(うち9巻はカイジじゃないが)味わえたので良かった。
まとめると恋愛・友情・勇気努力に安易に頼るストーリーとは一線を画した傑作と言える。
【黙示録】
出てくるギャンブルはジャンケンと鉄骨渡りとEカードとティッシュ箱くじ引き。ジャンケンでここまでのストーリーを作り上げる福本すごすぎワロタwww1カ月以上前に読んだのであまり覚えていないが鉄骨渡りが神ってた記憶がある。
【破戒録】
出てくるギャンブルはチンチロとパチンコ。借金返済のための地下労働・外出券獲得&沼パチンコ勝利で借金返済という二層構造。
【堕天録】
これまでとは異なり出てくるギャンブルは麻雀のみ。45組生き残りの前田三好がゴミクズすぎて笑った。
【堕天録和也編】
和也との勝負ということで堕天録13巻からの続きだが、9巻の時点で和也の小説(回想)と巨額債務者3人の命を張ったギャンブル(友情確認ゲーム)だけで、カイジと和也の直接対決は実現していない。引っ張りすぎで非難の声が多いが、面白いから許容範囲。但し黙示録〜堕天録は13巻で完結してるのであと4巻で終わるとなると直接対決がないのではないかという懸念がある。