「うああ哲学事典」
- 作者: 須賀原洋行
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/10/22
- メディア: コミック
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下北沢の古本屋で300円と安価で売っていたのでとりあえず買った。
哲学者や文豪の哲学的な概念を取り上げて、その概念を用いたストーリーが分かりやすく作られているのでかなり読みやすいし、哲学的な概念がコミカルに表現されているので笑うこともできる。哲学で笑うなんて機会はあまりないので貴重だと思う。マルクスからハイデガー、フッサール、そして安部公房やカフカに至るまで幅広く取り上げられている。
他者や社会の中で生成される自己をテーマとしたフーコーの「人間の終焉」、判断停止によって世界を純化する(現象学的還元)ことをテーマとしたフッサールの「エポケー」、見られる者から見る者への転換をテーマとした安部公房の「箱男」、発話と規則の一致をテーマとしたソシュールの「ラングとパロール」、死への覚悟をテーマとしたハイデガーの「死への先駆的決意性」は特に面白かった。