「サキ短編集」

サキ短編集 (新潮文庫)

サキ短編集 (新潮文庫)

9月15日読了。夏休み31冊目。
O・ヘンリーと並ぶ短編の名手と言われるが、2年前の一浪時代にO・ヘンリーを英語で読もうとして挫折した僕に死角はなかった。

この短編集に収録されている物語は活字だけで表現されているのだから良いのであって、実写化すると一気に質を落とす可能性が高い。言い換えると、脳内再生だからこそ物語群の冷笑的というか暗澹たる雰囲気を味わえるのではないか、と思う。ブラックユーモアやシニカルといった言葉で形容されることが多いように、この短編集では雰囲気が重要な要素になっているのだと思う。