8月29日〜前篇・東京都写真美術館〜

10時起床、カメラ、「死者の奢り・飼育」という本、財布、を携え11時頃出発。
小田急が人身事故の影響でダイアが乱れ車内は混んでた。だが辛うじて本は読めた。

恵比寿駅から徒歩5分程度、恵比寿ガーデンプレイスが見える。12時頃だったので昼休みなのか、往来にはサラリーマン・OLで賑わう。


恵比寿ガーデンプレイスの近隣に位置する目的地・東京都写真美術館に到着。外面は予想以上に美術館ではなかった。

元々は田村彰英「夢の光」だけに入場するはずだったが、2枚3枚買うことでお得になるらしく、時間も勘定して、「夢の光」の他に「鋤田正義展サウンド&ヴィジョン」のチケットも購入した。

まず最初に「夢の光」。
米軍基地・家・道・午後・湾岸・赤陽・名もなき風景といった具合にテーマごとに分かれていた。米軍基地と湾岸にはあまり興味がなかったので少しはしょった。名もなき風景では、陸前高田の被災地の写真があった。青空と、土と瓦礫が積もって壊廃して駅と、向こうに見える木々が写っているカラー写真だ。どんなに想像力を働かせても波の音が聞こえない程、綺麗なシーンだった。

2か所に田村氏の下に届くとされる感想ノートが置いてあった。開いてみると結構な人数が感想を書いていた。恐らく書いた感想を田村氏本人が目に触れるからであろう。感想の紙というものがあり、それをボックスの中に入れて人の目に触れないようにすることが一般的な感じがするが、あえてそのような手段をとらず不特定多数の人の目に触れる場所に堂々と置いておき誰でも好きな時に書けるというような状態にしておくことに、鑑賞者がお互いの感覚や行き着いた着想を吐露することでインスピレーションを高めさせようという開催者サイドの意図がある、と解釈したので感想ノートを熟読した。恐らく田村氏の作品を見ていると同じくらいの時間を費やして感想ノートを読んだ。展示されている作品は少なかったので、ノートを読むことで値段以上に楽しめたと思う。韓国語やアラビア語た中国語で書かれたもの、「台湾から来ました」「仙台から来ました」「○○大学の者です」「○○大で授業を受けた者です」と書かれたもの、多彩な人間がいて面白かった。感想は5行以上の長文が多かったが、「目線が凄い」「一本の筋が作品に通っている」等の少し物足りなかった。もう少しどこがどう凄くて何を感じたかを書いてほしかった(別に僕に宛てた感想ではないが)。あと誤字が多かった…。気になる…。まぁそれはどうでもよいとして、一文だけ目を引くものがあった。「…略…逆説的に地名が内包する意味の強力さを感じた…略…」(略というか覚えていない)的な文だった気がするが、僕にとっては面白い視点だった。他の人にとっては難しい言葉を並べてるだけのように見えるかもしれないが。

次に「サウンドアンドヴィジョン」。
もともと鋤田正義写真展「きれい」を渋谷パルコミュージアムで鑑賞しようと計画していたが、ここで鋤田正義展に遭遇するのは完全に偶然である。どちらの写真展もデヴィッド・ボウイが目立つ。パルコミュージアムの「きれい」の方もいつか行きたい。

会場入りしていきなり壁面にデヴィッド・ボウイの奇抜な写真。その後はテーマごとに小部屋があり壁3面に写真が掛けてある。布袋寅泰忌野清志郎の部屋もあり、1992年の忌野清志郎は2012年でも通用するイケメンだった。美的感覚は時代の経過と共に推移してゆくので1990年の顔が2012年に受け入れられる可能性は低いのだが、越境するイケメンだった。布袋寅泰は…2曲しか分からない。「スリル」を聞くと、黒スパッツのハゲが突如現れ観客にダイブしている映像しか思い浮かばない。プロジェクションルームという部屋もあり、1980年前後が多い写真の作品とは異なり、高橋優の「誰がために鐘は鳴る」やAKB48の「桜の木になろう」のような比較的最近のPVのプロジェクションを見ることが出来た。「書を捨てよ町へ出よう」という1970年頃の映画のサウンドトラックも聞けたが、高橋優の後だったこともあり、受けた衝撃は大きかった。1970年前後って個人的に結構興味ある。
ちなみに聞いた曲は、この動画の4分38秒から始まる曲。

1時間30分程度で2つの展示を見終えた。作品の数が少なかった割に長居した。実際に後から来た客にどんどん追い越されていたし。

ミュージアムショップ(笑)では、子供が服を引っ張りながら道路を横断するクリアファイルとデヴィッド・ボウイのポストカードを購入した。前者は展示に全く関係ないがなんとなく魅かれるものがあった。後者は「サウンドアンドヴィジョン」での印象が強かったので。カメラのストラップでカッコイイのがあって買いたかったが5000円ェ…。

後篇・神保町古本屋巡りに続く。