やきう

大学の野球サークルに今日から参加することにし、中学3年生の夏から6年ぶりに野球をやった。野球ボールやグローブに触れたのも4年ぶり。キャッチボール→打撃練習(ロングティーなので兼守備練習)→ノック→リレー(ダイアモンド)というメニューだが、かなりガチだった中学の部活とは異なり、緩いので緊張感を感じることなく気楽に楽しめた。

まずキャッチボールだが、投球フォームを思い出すことが出来ず、結局最後まで定まらず、制球力は現役の頃よりやや低下している。キャッチ能力も低下していたが、ボールが捕れないというわけではなく捕り方が満足のいくものではなかった。

打撃練習は、レベルスイングを意識したので芯で何球かとらえた(今振り返ったらややアッパー気味かもしれない)。弾道もそこそこよく体格の割に飛距離はあったし、ライナーも打てた。2巡目ではビヨンドマックスを使用したがいい当たりは3球程度、なぜか1巡目の金属の方が飛距離はあった。別にパワーヒッターになりたいわけではないので鋭いライナーを打つ練習をこれからしたい。ピッチャーとしては制球力が最悪で打者に迷惑をかけたレベル。守備は一二塁間を守り及第点の守備はした。

ノックではライトの守備についた。フライは守備範囲+αまでは大丈夫だった。ゴロに関しても後逸はないのでこちらも及第点。ただ制球(笑)

問題はリレーである。2チームに分かれ、ホームと二塁、一塁と三塁でバトンタッチという風に半周走るものだが、僕は一塁三塁チームの1番手を任された。スタートの合図と同時に福本豊や2004年赤星憲広を彷彿とさせる韋駄天で颯爽とダッシュし、球場は僕への賛辞の合唱で満たされた。二塁ベースを恰も蝶の舞のごとく華麗に踏んだ次の瞬間である。僕の眼前に広がる映像は一瞬途切れた。幸い映像は戻ったのだが僕の目に映る風景は茶色一色で染まっていた。「おっと、少しヘッドスライディングのタイミングが早かったようだ。」

かくして、ふくらんだ走塁を前提条件にセカンドベースの角を左足で踏んだこと、そもそも靴がトレーニングシューズだったことが原因で、派手に転倒し顔面を地面に叩きつけた。知性を纏う顔、激しい受験戦争を勝ち抜いてきた僕の右腕、複雑難解なドイツ語の辞書を持ってきた左腕は血に染まり、数々の難問を共に読み解いてきた相棒、いや愛棒のメガネも無惨な様相を呈した。

しかし野球には怪我がつきもので、今振り返れば中学生の時分は10回以上も体育を見学するほどの怪我をした。6年ぶりの野球・6年ぶりの全力疾走は6年ぶりの怪我を生産したが、6年ぶりの爽快感も同時に味わうことができ、最高に充実した時間だった。