「問題解決のための『社会技術』―分野を超えた知の協働」

問題解決のための「社会技術」―分野を超えた知の協働 (中公新書)

問題解決のための「社会技術」―分野を超えた知の協働 (中公新書)

「国際プロジェクトを考える」というディスカッション込みの講義の参考図書。5月2日〆切のレポートを大急ぎでこなすために具体的なケースは全て割愛して1時間で読んだ。要点と思われる箇所だけ着目した。

しかし結局この回のレポートは諦めた(嗤)。12回中4回以上提出すればよいので次回から本気出す。

社会技術研究の特長
1.問題解決型研究である
2.特定の専門分野に囚われない俯瞰的研究である

社会技術研究では、問題を俯瞰的に見て多様な知識を総動員する。問題解決のための文理協働も実現可能となる。

社会技術の設計
1社会問題の認識→2社会技術の立案→3社会技術による社会の変化の予測→4予測される社会の変化の評価、というプロセスを通じて行われる。

問題解決のプロセスにおいては、アルゴリズム・メンタルモデル・アナロジー推論といった方法論があり、より効率的にアプローチをかけることができる。確かにヒューリスティック(必ず正しい答えが導けるわけではないが、ある程度のレベルで正解に近い解を得ることが出来る方法)は問題解決の手法として有効だが、創造性が封じ込められ慣習や経験に囚われるケースもあるので、時として白紙の状態で問題を眺めることも重要である。

また社会技術はその場限りに効力があるのだけではなく、各領域における革新を誘因する可能性もある。

問題解決を俯瞰的に取り扱う社会技術研究の枠組みは、このようなブレークスルーを生み出す可能性を秘めている。また、そうした俯瞰的な枠組みによって、問題解決のメカニズムを法則化し、普遍的な方法論を構築することもできるだろう。個別から普遍が生み出され、その普遍がさまざまな状況に適した個別を生み出していくのである。(P160)

社会技術に関する方法論は企業や個人などより小さな単位にも応用できる。