「共産党宣言」
有名な本であることと、薄くて時間があまりかからなそうであること、内田樹氏の本を読んでから、この本をチョイス。マルクス経済学者の大内兵衛の訳。人民戦線事件で検挙されたことは受験生時代に知識として持っていた。
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今日までのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である。(P40)
ブルジョアの性質。元来人間が持つ清らかな感情を、金銭関係に変えてしまった。人間は単なる労働用具になる。
かれらは、宗教的な、また政治的な幻影でつつんだ搾取を、あからさまな、恥知らずな、直接的な、ひからびた搾取と取り代えたのであった。(P45)
ブルジョア時代の特色。拡大への欲望のために常在的なものも流動性を帯びる。
生産のたえまない変革、あらゆる社会状態のやむことのない動揺、永遠の不安定と運動は、以前のあらゆる時代とちがうブルジョア時代の特色である。(P46)
ブルジョア階級は、すべての生産用具の急速な改良によって、無制限に容易になった交通によって、すべての民族を、どんなに未開な民族をも、文明のなかへ引きいれる。(P48)
プロレタリアの団結について。
ろくな路のなかった中世の市民にとって数世紀もかからなくてはできなかった団結も、鉄道を用いる近代プロレタリアは、これを数年にしてなしとげるのである。(P56)
共産主義の特徴と目標。
共産主義の特徴をなすものは、所有一般の廃棄ではなく、ブルジョア的所有の廃棄である。(P63)
われらのあくまでも廃止しようと欲するものは、ただ、労働者は資本を増殖するためにのみ生活し、そして支配階級の利益が必要としなければ生活することができないという、そんなみじめな取得な性格である。(P65)
労働者革命の第一歩は、プロレタリア階級を支配階級にまで高めること、民主主義を闘いとることである。(P74)
階級対立の発展は工業の発展と比例するが、社会主義・共産主義の創始者の時代には、プロレタリア解放の諸条件が不十分であったため、諸運動は必然的に失敗した。また思想そのものも未来社会の空想的叙述(ユートピア的)に終わった。
共産主義者は、強力な社会秩序の転覆により目的を達成させねばならない。
万国のプロレタリア団結せよ!(P98)
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実際に読んでみると力強い文章だったが、それは翻訳者が大内兵衛だったことにも関係はあるかもしれない。3章はよく分からなかったので僕のメモは内容が偏っていると思われる。