「教養の力 東大駒場で学ぶこと」

8月14日読了。2013年58冊目。夏休み7冊目。
筆者の「英語達人塾」は仮面浪人の時代に読んで感銘を受けた。この本はかなり読みやすく僕も1時間くらいで読めたのでオススメ。

東大駒場はあまり関係ない。教養とは何かを論じられていて、筆者の専門ということで英語という観点に比重が大きく置かれていた。英語教育にはほぼ全面的に同意。「グローバル」な英語を志向するために英語の質が数だけで判断されるのが今の英語教育で、、なお且つ英語で授業を行うことが「国際教養」と呼ばれているのが現状だが、そんなお粗末な英語教育は適切な行動の基底をなす教養には関連しない、みたいなことを言ってた。

筆者の考える教養の柱は「知的技術」「バランス感覚」(筆者はこれをセンス・オブ・プロポーションと好んで呼んでいる)「人格・善」。僕が理解していた教養は「バランス感覚」と「人格」だったので、教養が知的技術に裏付けられるという見解は新鮮だった。成るほどなと思った。(教養が知的技術が裏付けられるとはどういうことかと言うと、例えば素人が文学を語る場合、作品を比較したりするなど、抽象的で一段敷衍した議論をすることは難しい。文学を一層掘り下げていくためには技術が必要であり、物事を関連付けるという意味で教養=知的技術という図式が成立する。)

あとは古典を読めと言ってた。教養をつけるなら古典を読めってよく聞くが僕はなかなか読む気にならない。古典を読む気になれない理由は、解説書で満足してしまう自分がいるからである。自分の読解力だと消化できず結局解説書の方が級周できる気がするのである。まぁこんなこと言ってると恥ずかしいのでちょっとずつ読んでいきたいものだが…。