「図説 現代殺人事件史」

図説 現代殺人事件史 (ふくろうの本/日本の歴史)

図説 現代殺人事件史 (ふくろうの本/日本の歴史)

4月13日読了。2013年34冊目。

1946年小平義雄事件から2008年元厚生省事務次官宅連続襲撃事件までカバーされている。特に畠山容疑者による秋田の児童殺害事件や秋葉原無差別殺人事件や元厚生省事務次官襲撃事件は記憶に新しい。

半分くらいの事件は既知であった。特に佐川一政による人肉殺害事件が衝撃的だった。名前だけは知っていたが内容はあまり知らずにいた。フランス留学中の彼はオランダ人女性を殺害しその肉体を食べ、死体遺棄を見られ逮捕されるのだが、通訳の誤訳により心神喪失と認定され不起訴処分とされるのである。佐川はその後社会復帰し小説家として活動しており、マスメディアにも露出している。YOUTUBEでもしゃべっている彼を見ることができる。また彼を画像検索にかけると彼が殺して食べた女性も見ることができるがグロ注意。

右翼少年山口二矢社会党浅沼稲次郎を殺害した事件も知ってはいたが、襲撃している写真が秀逸である。あとは連続殺害事件の永山則夫死刑囚の写真もあり、ネット上でも見られるがこちらの本のほうが見やすい。

60年間の殺人事件史を概観してみると、ありきたりな考えだが、やはり事件の特質が時代ごとに異なっているように思える。1980年あたりを境に、それ以前は政治犯や貧困、それ以降は観念的であいまいな殺人とおおまかに分けられる。この本に記述されている事件はどれも重大だとは思うが中でもオウム真理教関連の事件が目立っていた。1990年代中葉から2000年代前半にかけてはオウム・酒鬼薔薇宅間守・北九州と凶悪犯罪が多発している印象を受けた。