「コクリコ坂から」

コクリコ坂から [DVD]

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1学期の大学の西洋思想史の講義で「沓掛時次郎 遊侠一匹」「手紙」「シンデレラ」を見たが、自主的に映画を観たのは5年ぶりくらいかもしれない。ジブリに関しては恐らく猫の恩返しぶり。

観たのは2月10日。
内容をざっくり言えば、文化部の部室であるカルチェラタンを力を合わせて大人たちから守ろうという層、恋愛関係にある高校生が兄妹っぽくて残念だと思ったけど実は兄妹じゃありませんでしたみたいな層の二層構造で、全体を概観すると特に心を動かされることはなかった。が、カルチェラタンの雰囲気、1960年代(?)の学生の気質、ノスタルジックな街並み等、本筋と関わらない仔細な部分は良かったと思う。

色恋沙汰の面に関してはハイスペック男女が恋愛市場では強者であるという原則を改めて突き付けられた感じがした。共感や憧れは特になかった。カルチェラタン保護の面では、「ほこりも文化だ」みたいなフレーズが一番印象に残っている。積み重なった本、傾いた表札、みしみしいう床は、それだけで価値があると僕も思う。

総括すると、カルチェラタンの雰囲気、当時の学生の気質、これがこの作品の醍醐味であるよう感じた。