「朝30分を続けなさい!」

自己啓発本は1割が良書で残り9割がクソ本に分類できると思っているが、本書は間違えなく前者だと思った。

きちんと目標を定めて、毎日コツコツ勉強を続けるだけです。その分野で時間・労力・お金のインプット量をコツコツと累積していけばいいだけです。(P216)

世間的に成功を収めている人とそれ以外の人とを決定的に分けているのは、その分野のインプット量(努力量)だ。忙しい日常の中で時間を少しでも捻出してコツコツ努力を続ける。我々凡人が秀才と同じ努力をしても追いつかないので人の3倍でも5倍でも努力する必要がある。しかしこの当たり前の原理原則を実行に移す人は極めて少ない。彼ら彼女らは即時的な結果を求めるから長続きしない。しかし100度になれば気体から液体に変わるように成果もクリティカルポイント(或る一定のライン)を超えるまで何も起こらない。努力が目に見える結果に現れるには最低15カ月はかかるが、それまでに知識の吸収・反復・を愚直に実践すべきである。

少ない時間の中で最大のパフォーマンスを得るためには朝が最も良いし、統計的にも朝活動する人に所謂「成功者」が多い。ただ「朝に勉強する」という表面的形式的な規則に縛られすぎて効率性を落とすことは、「少ない時間の中で最大限の成果を得る」という本来の目的から逸脱することになる。勉強は朝、これはあくまで原則であり自分のライフスタイルに合わせて臨機応変に対処する必要がある。

実際の文体はもっとキツい。「負け組でいてくれてありがとう」「一生ラクな方法を探して死ねばいい」等の表現を使用しているが、自己啓発本を手にとるような人にはこのくらいキツい方がよいかもしれない。

書かれていることは今更感のある当たり前中の当たり前だが、こうしたことを定期的に自分にアナウンスして意識化することには非常に意味があると思う。インプット・反復、そして連続的な忍耐を継続できる人間になりたいし、そうしたロールモデルを早く見つけたい。