「死に急ぐ鯨たち」

死に急ぐ鯨たち

死に急ぐ鯨たち

8月7日読了。2013年54冊目。夏休み3冊目。

久しぶりに安部公房を読んだ。3月15日に「夢の逃亡」を読んで以来である。
新潮文庫で絶版になっていてamazonで古本として購入したためヤケやシミが酷かった。

今回のこの「死に急ぐ鯨たち」はエッセイ集であり小説ではない。
安部公房という人物を広く考える上で、安部公房論なら充実しているのだが、安部公房自身が自分の作品や作風を語っているのは今まであまり見たことがなかった。数少ない経験としてNHKの昔の番組をネット上で見たことがあるが、その番組では小説観について語っていて感銘を受けた。自分の漠然と考えていたことが見事に言語化されていたのだ。この「死に急ぐ鯨たち」はナショナリズムというのが大きなテーマのように感じられたが、それに付随して様々なことが話題にされていて、安部公房自身が自分の作品や作風について話している箇所も散見できた。

内容についてだが、あまりにも面白すぎたのでまとめるのが難しい。