「高学歴ワーキングプア」

高学歴ワーキングプア  「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

2月15日読了。2013年10冊目。


少子化の傾向とは逆に大学院生の数は増加傾向にある。これは世界的な教育水準に遅れをとらないことを目的とした教育政策である大学院重点化政策に端を発する。大学院創設緩和と予算獲得のために各大学は学生を確保しようと試みる。しかしこのようにして大量生産された大学院生はポストの限られた専任教員に就くことができず、低賃金・無保障という悪条件下での労働を強いられる。博士号を取得した30代、40代が路頭に迷うことが一般的になりつつある。

以上、大学院重点化政策は自身に構造的な問題を孕むが、これが労働意欲の低下等の個人的な問題にすり替えられ論じられることが多い。こうした大学側の処置は一過的な延命措置にすぎないのであり、大学側・国家側・学生側、どのような側面から見ても一連の流れは長期的な損失である。各大学は利他的な経営方針をとることで互恵的な関係を築くべきだ。

大学院恐すぎワロタ…